JDI、「液晶→有機EL」の流れ読み切れず 韓国勢との差がさらに開く懸念も

東京都港区のオフィスビル内にあるジャパンディスプレイ本社
東京都港区のオフィスビル内にあるジャパンディスプレイ本社【拡大】

 経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)がグループ従業員の約3割にあたる4千人弱の人員削減を検討していることが8日、分かった。中国やフィリピンの工場で3500人程度減らし、国内では250人程度の早期退職を募集する。赤字体質からの脱却に向けた経営再建策を9日に公表する。

 国内で液晶パネルを生産する能美工場(石川県能美市)は年内をめどに休止し、従業員を近隣の工場に配置転換する。海外の部品組立工場は生産体制を縮小し、他社への委託生産に切り替える。人員減などで年間500億円程度の固定費引き下げを計画。構造改革に伴う損失発生で平成30年3月期の最終損益は4年連続の赤字になる見通しだ。

 再建策では財務体質を改善するため、国内外の事業会社や投資ファンドなどとの資本業務提携を検討する方針も盛り込む。

 JDIが構造改革に踏み出すのは、主力のスマートフォン向けパネルで、液晶から次世代の「有機EL」への置き換わりが想定を上回るペースで進んでいるからだ。液晶一辺倒だったJDIは受注を大幅に減らす可能性が高く、事業構造の見直しを急ぐ。

 有機ELは、数年で液晶を上回る市場規模に成長するとみられる。現時点でスマホ用有機ELパネルを安定供給できるのは韓国サムスン電子のみだが、韓国や中国のメーカーは開発投資をつぎ込み始めた。

 JDIはこうした技術動向を読み切れず、液晶パネルの販売不振で業績が悪化、有機ELの開発や量産に回す投資余力が乏しくなった。人員削減や生産体制見直しで企業体質を改善し、有機ELへのシフトを急ぐが、構造改革が遅れれば、先行する韓国勢との差がさらに開く懸念もある。(万福博之)

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