ロケット開発など企業に広がる宇宙ビジネス 「1週間に1回の打ち上げ機会を」 (1/2ページ)

インターステラテクノロジズが打ち上げる小型観測ロケット「MOMO」の想像図(同社提供)
インターステラテクノロジズが打ち上げる小型観測ロケット「MOMO」の想像図(同社提供)【拡大】

 民間企業の宇宙ビジネスが広がる兆しがある。北海道の社員14人のベンチャー企業が7月末、宇宙空間を目指して自社開発したロケットを打ち上げるなど意欲的な動きが出てきた。宇宙開発はかつて国家事業だったが、市販部品の高性能化などを背景に民間も独自に取り組みやすくなった。政府も参入を後押しする。

 超小型衛星の需要増

 「打ち上がったときのデータを取れていれば合格点。非常に大きな成果で、宇宙まであと一歩だ」。先月30日、北海道大樹町から小型ロケットMOMO(モモ)を発射したインターステラテクノロジズの稲川貴大社長は前向きだった。打ち上げ後約70秒で機体からの通信が途絶え、エンジンを緊急停止。最高高度は約20キロで、目標の100キロ以上には及ばなかった。だが会見では早くも年内に後継機を発射する意向を表明した。

 同社は今後の超小型衛星の普及をにらみ、2020年頃に自社のロケットで打ち上げ事業を始める方針だ。重さ100キロ以下の超小型衛星は、国が気象観測などの目的で作る数トン級の大型衛星と異なり、開発期間が短くてコストも安く、画像撮影や通信用途などで利用が拡大する見通しだ。

 稲川社長は「20年には世界で年300個の超小型衛星の需要を見込む。1週間に1回という高頻度の打ち上げ機会の提供を目指したい」と話す。

さまざまな宇宙ベンチャーの活動が明らかに