【高論卓説】輸出競争力に陰り…リスク取らない「日本病」 投資誘発の切り口にAI促進期待 (1/2ページ)

 日本の輸出競争力に陰りが出ている。アベノミクス効果で円安基調が定着しても、輸出額は過去のピークを下回ったままで、経常黒字に占める貿易黒字の割合は20%程度にとどまっている。この背景にあるのは、日本企業の経営者を覆っている「リスクを取らない」心理にあると指摘したい。リスク回避の材料を並べ立てることに秀でているリーダーがひしめいている状況を「日本病」と名付けたい。病状は相当に深刻だ。国内市場の収縮が進み出している中で、重視されるべき「輸出競争力」に黄信号が点灯している。

 世界経済は、米国や中国の堅調な伸びなどを背景に拡大傾向がはっきりしてきたが、日本の輸出額は、2016年10~12月期が18兆3723億円、17年1~3月期が19兆0436億円、17年4~6月期が18兆2640億円と横ばい傾向となっている。

 輸出総額(暦年)を振り返ってみると、リーマン・ショック前の07年までは順調に増加し、その年に83兆9314億円を記録した。しかし、それから10年たっても、輸出額はピークを回復できないまま。ここ3年は14年の73兆0930億円、15年の75兆6139億円、16年の70兆0358億円と停滞感が強まっている。

 また、17年上半期の経常黒字は10兆5101億円だったが、貿易黒字は前年同期マイナス11.7%の2兆0531億円と経常黒字全体の19.5%にとどまっている。大半は、第一次所得収支の9兆7622億円が稼ぎ出した。

行動しないリーダーたち