「ソニーの復活」を真に受けていいのか 私が「NO」と答える理由 (5/5ページ)

 アメリカの経営者は、第4次産業革命に突入する中で、「10年後、自分たちはこうやって世の中を変える」といった夢のあるビジョンやメッセージを打ち出す。たとえば実業家のイーロン・マスクが、13年、7年後から10年後にサンフランシスコとロサンゼルスの約600キロを新輸送システム「ハイパーループ」によって30分程度で結ぶと発表したように。ソニーのイメージセンサー程度では10年後のメッセージにほど遠く、会社としての魅力が感じられない。

 ソニーが復活したかと問われれば、私の答えは「NO」だ。今のソニーに必要なのは「5年後、10年後ソニーはこうなる」というメッセージにほかならない。数年後に営業利益が7000億円、8000億円になるといった目先の数字ではない。「ソニーは10年後に世の中を復活の根拠5000億円の内訳は…こう変える」というトップのメッセージが聞こえてきた日こそ、ソニーの復活を本気で期待していいだろう。

 (産業創成アドバイザリー代表取締役 佐藤 文昭 構成=Top Communication)(PRESIDENT Online)