銀行預金、進む東京集中 地域経済への悪影響懸念 (1/2ページ)

 人口移動や遺産相続を背景に銀行預金の東京集中が進んでいることが22日までに、日銀の統計で分かった。日銀の大規模な金融緩和策で国内預金は1年間で6%増えたが、都道府県別で全国平均を上回ったのは東京と地震という特殊要因があった熊本だけで、45道府県は下回った。この傾向が続いて地方からの預金流出が本格化すれば、地域経済への悪影響も懸念される。

 日銀によると、2017年3月末のゆうちょ銀行を除く全国の銀行預金合計は745兆2958億円と前年同月比で6.2%増えた。都道府県別でみると、東京が12.7%増の254兆4496億円と飛び抜けている。東京が全体に占める割合も34.1%と1.9ポイント増えた。

 大都市圏への転居のほか、地方にいる親の遺産を相続した子供が、東京に預金を移すケースが多いのが主な理由だ。熊本は9.2%増だったが、昨年4月の地震で支払われた保険金が、預金に回った特殊要因が大きいとみられる。

 一方、45道府県は全国平均を下回った。特に愛媛が0.8%減と唯一のマイナスになったほか、和歌山が0.2%増、岩手と長崎が0.8%増と伸びが小さかった。

地域別でも東京を含む関東が9.3%増と大幅プラスだったが…