□生命保険協会会長・橋本雅博さん(61)
--今の事業環境をどう見ているか
「持続可能な社会保障制度の構築が急務となっている。生命保険業界全体の保険金と給付金の年間支払額は21兆円超。公的保障を補完する役割を果たすとともに、さまざまな保険商品を提供することで、健康長寿社会の実現に取り組んでいる。370兆円の資産を保有する長期安定資金の供給者としても、経済の活性化に貢献している。これからの社会保障や経済環境を鑑みて、業界が果たすべき役割は非常に大きい」
--来年7月までの任期中に注力したい分野は
「キーワードは『安心』と『健康』だ。契約者の意見を集約・分析して各社の顧客本位の業務運営をサポートするほか、企業や学校による健康づくりの優れた取り組みを表彰したり、報告書の作成・公表を検討している。さらに、機関投資家の行動指針(スチュワードシップ・コード)の改定を踏まえ、会員各社だけでなく、信託銀行や資産運用会社の投資先企業との対話の手法を研究し、業界全体のレベルアップにつなげたい」
--議決権行使結果の個別開示が進んできた
「過去と比べると、会員各社の開示の在り方は大きく変わってきた。機関投資家の姿勢に変化を促す効果はあったのではないか」