池上彰氏が語る、マックと吉野家に共通する「成功の本質」と「やってはいけないこと」 (3/6ページ)

池上彰・東京工業大学特命教授(右)。映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』トークイベントの様子
池上彰・東京工業大学特命教授(右)。映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』トークイベントの様子【拡大】

 「吉牛」「スタバ」と共通する教訓

 ちょっとネタばらしになってしまいます。「マクドナルド」が店舗拡大する中で、ミルクシェイクの原料を保管する冷蔵庫の電気代がかかりすぎるから、「粉末のミルクシェイクにしよう」と意見が出て、それをやるかやらないかで大論争となります。私はこれを観て、かつて「吉野家」の牛丼がダメになった時の話を思い出しました。

 1980年に「吉野家」は115億円もの負債を抱え、一度倒産しています。その原因の1つが、店舗の急拡大に伴う出店費用を抑えるために品質を下げたことでした。かつてはワインの効いた生タレの液体を店舗に運んでいたのを、本部が各店舗に、価格が安い粉末のタレを溶かして使うよう指示し、フリーズドライ肉と呼ばれる乾燥肉も使ったのです。

 その結果、どうなったか? 味がまずくなっただけでなく、店内から牛丼のいい香りも消えてしまいました。後に同社の社長・会長を務めた安部修仁(しゅうじ)さんらが本部に呼ばれて、必死になって再生を果たします。評判の悪かった粉末のタレを生タレに戻し、一部を除いて乾燥肉も取りやめたのです。

 私は1979年8月にNHK東京放送局の社会部に異動し、警視庁などを担当した時期でした。吉野家の新橋店で何度も慌ただしく牛丼を食べていたので、当時のことはよく覚えています。

スタバも似たような失敗

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