クボタはNTTグループと連携し、下水道関連分野でのIoT(モノのインターネット)を活用した新サービス「クボタスマートインフラストラクチャシステム(KSIS)」の実証試験に着手した。国内では今夏もゲリラ豪雨が頻繁に発生し浸水被害を引き起こしている。こうした問題に対処するには、下水道のモニタリングや河川の水位管理が重要なカギを握る。一連の実証実験によって、通信品質の安定性や機能の精度向上を図り、遠隔監視や現場作業の効率につながる技術を高度化。全国の自治体やプラント維持管理会社への導入を促進し、頻発する都市型水害対策の強化につなげていく。
クボタは昨年6月にNTTグループとの間で、農業・水・環境インフラ分野でのICT(情報通信技術)イノベーション創出に向けた連携協定を締結した。今回のプロジェクトは協定の一環で、実証実験は大きく3つに分かれている。
その一つが、NTTドコモの無線通信技術を活用し千葉県内の下水処理場で開始した実験。都市部に多い大規模な下水処理場では敷地が広く、地下にある監視室と下水処理設備間で電波が届かないことから、通信技術の活用が困難な状況を克服するのが狙いだ。新技術では条件によって、通信距離が従来の数百メートルから最大約10キロ程度まで拡大し地下内でのセンサー情報の収集が可能になるため、遠隔監視や現場作業の効率化を目指す。