【講師のホンネ】「志」を導く、とっておきの質問 武藤正幸 (1/2ページ)

 プロの応援団「我武者羅應援團(がむしゃらおうえんだん)」の活動を通して、今まで10年間で1000人以上の人たちを応援してきた。その中で、周りから応援されるような魅力的な人には、共通点があることに気がついた。それは「志」を持っているということだ。しかしそう簡単に、志を持てるわけがないと思っている人は多いだろう。でもたった一つの質問をするだけで、志は導き出せる。

 まず、志を導き出す種となるもの、それは「欲」だ。例えば全国各地を旅行したい。以前から興味のあった英語を習いたい。もっとたくさんのお金を稼ぎたい。「欲」というとあまり良いイメージはないかもしれないが、何かを欲することはそのくらい自分の心が動いている証拠だ。むしろ誇っていいと思う。

 しかし欲を持つだけで周りに応援される人になるのは難しい。そこでこんな質問を己に投げかけてみる。「それをやることで、どんな人になりたいか?」この質問に答えるだけで「欲」で止まっていた世界が「志」へと変わり始めるのだ。

 先のたとえで言うなら「日本全国を旅行することで、自分が住んでいる国の魅力をちゃんと語れる人になりたい」「英語を習うことで、世界中の人とコミュニケーションをとって文化をつなぐ人になりたい」「お金を稼ぐことで、わが子がやりたいことに挑戦できる環境をつくれる人になりたい」などと言った具合だ。こうなると先ほどの欲とは違い、周りの人は応援したくなる。なぜなら、そこに「想い」が見えてくるからだ。つまり周りの人はその行為自体よりも、どんな気持ちでそれをやるのかという、想いに共感したときに、この人を応援したいと感じるのだ。

すべての志は欲から出発する