工場・倉庫に特化した事業用不動産の仲介・管理を手掛けるタープ不動産情報は、累計約6000件の成約件数を誇る。その数は業界最大級の規模。近隣との振動、騒音対策をはじめとしたトラブル解決にもきめ細かく対応し、口コミで顧客を広げている点が特徴だ。三浦孝志社長に今後の事業戦略について聞いた。
業界でも低い認知度
--工場・倉庫物件を専門に手がける理由は
「築年数が経過していても家賃が新築とほとんど変わらず、入居者も見つかりやすいためだ。また、借りるのは事業主が多く、契約期間も長いことから、安定した収入が得られる。改装は入居者が行い、退去するときは原状回復するので、オーナーは原則として改装費を負担する必要がない。このため維持費が少なくて済む分、住宅より利回りがよくなる」
--工場・倉庫はどのように運用されるのか
「廃業を決めたオーナーはまず近所の不動産屋に相談することが多い。しかし住居以外にほとんど取り扱ったことがないので、更地にしての売却やマンションへの建て替えを勧めがちだ。するとオーナーは更地にするための費用がかかって売却額が少なくなったり、マンション建設で借金を抱えたりすることになってしまう。そのまま貸し出して借り手を見つければ、費用をかけることなく安定収入を得られるが、そのような発想も乏しい。世間にも業界にも知られていない手法なので、昨年『「工場・倉庫」投資のススメ』という書籍を出版し、認知度向上を図っているところだ」