◆世の中は“体験型消費”へ
着実に事業を拡大してきた彩グループが、新たな展開として注力しているのがエステビジネスである。昨年末、三越伊勢丹ホールディングスがエステ大手のソシエ・ワールドを買収すると発表し、大きな注目を集めた。訪日外国人らによる「爆買い」の失速などで、モノが売れなくなる中、世の中が“体験型消費”にシフトしようとしていることを如実に表している。また、エステティックビジネスの将来性にも、あらためて関心を集めるきっかけとなった。
「エステティック業界は、消費者を守る法的整備が進んだという点も、利用者増加の後押しとなっている。国内に美容室は約24万店あるが、エステティックの専門店はその10分の1にも満たないのが現状であり、特に可能性が期待される分野だ」と、田部社長は分析している。
既に多くの企業がエステビジネスの将来性に気付き、競合は増えてきているが、彩グループが展開する「ミスエステ フェイシャルサロン」は、他店との差別化という点で優位なシステムを確立しているという。それは、同グループがこれまで培ってきた技術や膨大なデータを結集した「ミスエステ スキンナビゲーションシステム」だ。これは、独自に開発された「ミスエステ肌解析機」により導き出される顧客の肌年齢と、それに対応したフェイシャルトリートメントコース、肌年齢に応じた5歳刻みの化粧品を提供するという、新しいシステムである。肌をデータに基づいて解析し、“肌年齢”というわかりやすい数値で示してケア対策を丁寧に案内することで、顧客の「もっと若くみられる肌になりたい」というモチベーションを高め、サービスの利用にもつながっているという。