【東芝危機】日米韓連合が“破格”条件提示　ＷＤの日米連合に対抗 (1/2ページ)

　米ベインキャピタルなど「日米韓連合」が８日示した東芝の半導体子会社「東芝メモリ」買収の最終案は、米ウエスタンデジタル（ＷＤ）が加わる「日米連合」への対抗策になる可能性がある。ＷＤとの係争が続いていても売却でき、さらに総額２兆４千億円という破格の条件だからだ。最有力候補の日米連合との詰めの協議は難航しており、東芝には難しい判断が求められている。

　「日米韓連合ともう一度きちんと協議してください」。関係者によると、交渉に影響力を持つ経済産業省は８日にかけて、東芝にこう呼びかけたという。

　東芝は７日夜の協議で日米連合への売却を固めるつもりだった。だが、この局面でなお両社の溝は埋まらない。見かねた経産省も日米韓連合の最終案の検討を認めざるを得なかった。

　経産省、主力取引銀行ともに東芝メモリの早期決着に向け、ＷＤ陣営との交渉妥結を急ぐべきという見解では一致する。ＷＤから国際仲裁裁判所に提訴され、和解しないと交渉が前進しないからだ。

　激しく対立してきた両社だが、売却合意による提訴取り下げや、独占禁止法審査の通過を勘案した買収時のＷＤの資金拠出見送りなど、これまでの交渉で合意に至った部分も多い。それでも、詰めの交渉でＷＤが強気姿勢を崩さず、壁にぶち当たっている。