きっかけは自身の経験 5万人超のデータ活用、「のりかえ便利マップ」全国展開

インタビューに答えるナビットの福井泰代社長
インタビューに答えるナビットの福井泰代社長【拡大】

 東京の地下鉄の駅で見かける「のりかえ便利マップ」を手掛けている。どの車両に乗れば降車駅から目的地に短時間で着けるかが分かる。ノウハウを生かして、主婦らの協力で全国的な情報収集を展開、さまざまな鉄道の駅や空港での案内図の作製、ITサービスに使われる電話帳などのデータベースまで手掛ける。

 起業のきっかけは、幼い子供を抱えて駅でエレベーターや出口を探し回った自分自身の経験だ。発明が趣味で「面倒だと思ったときがビジネスチャンス。当時の東京の地下鉄全256駅を、土日に足を運んで5カ月かけて調べ上げた」と語る。ただ、書籍化を目指し70を超える出版社に持ちかけたが、事業としてはほとんど実を結ばなかった。

 1997年に前身となる有限会社を設立。98年に地下鉄銀座線の駅構内に掲示され注目を集めた。「便利マップを目にした乗客が特定の車両に集まって混む、と指摘されたこともあった」と振り返る。女性専用車の表示など改定を重ねている。

 全国展開を進めており、各地域から情報を送ってくれる多くの人が必要になっている。当初は鉄道が好きな大学生に頼んでいたが調査対象を駅以外にも広げたため、子供が小学3年生までの若い主婦中心に切り替えた。「今では5万8000人のスタッフにデータを集めてもらっている」

 空港や鉄道の駅の立体的な構内図の作製、レストランの開業・閉店情報の収集などにも取り組んでいる。「データベースは人工知能(AI)開発やビッグデータ分析といった未来につながる技術の基礎になっていて、これから重要性が増す」と話していた。

【プロフィル】福井泰代

 ふくい・やすよ 成城大卒。電機メーカーの販売子会社などを経て、2001年にナビット設立。51歳。神奈川県出身。