ソニーの30万円超イヤホン、音楽愛好家に好評 生産追いつかず納品半年待ち

イヤホン「ジャストイヤー」を考案したソニーの技術者、松尾伴大氏=8月、東京都港区
イヤホン「ジャストイヤー」を考案したソニーの技術者、松尾伴大氏=8月、東京都港区【拡大】

 30万円超もするソニーのイヤホンが音楽愛好家から好評だ。技術者が自ら接客し、一人一人の耳に合わせて作る異例の手法で、高音質や聴き心地にこだわる客の心をつかんだ。「ニッチ製品」の下馬評を覆し、新たな市場を創出した。

 このイヤホンは「ジャストイヤー」で、音響設計が専門の松尾伴大氏(40)が考案した。「好きな歌手は? よく聴く端末は?」。白衣姿で顧客に問いかけ、最も心地良い音の調和を見つける。技術者というより心理カウンセラーのようだ。

 宇多田ヒカルさんのファンなら「高音域を重視しましょうか」といった具合に提案する。魅力である、ささやくような歌声が引き立つからだという。パソコンで模擬的に音質を調整した上で、部品の配置を微妙に換えるなど設計の技を駆使して仕上げていく。

 耳型から作るのも特長。装着感が良く長時間使用しても疲れにくい。耳型の採取は、認定補聴器技能者の菅野聡氏(38)が一手に担う。音響チェックに使うイヤーモニターの製作に携わった経験も豊富でプロの音楽家から一目置かれる存在という。

 ジャストイヤーは2015年にグループ会社の新規事業として世に出たが、需要や手間を考えれば「採算が合うはずがない」との見方がもっぱらだった。製品には「SONY」のロゴも刻印していなかった。だが高音質の「ハイレゾ」に対応したスマートフォンの普及なども追い風となり、今年4月に音響機器の主要ブランドの一つに「昇格」した。生産が追い付かず納品まで5、6カ月待ちの状態という。

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