【論風】AI活用で「第4次産業革命」 人口減少国日本に最大のチャンス (1/3ページ)

 □元経済産業事務次官・北畑隆生

 人工知能(AI)の活用を核とする「第4次産業革命」が始まっている。社会のあらゆる情報がデジタル化され、巨大な量のデータとして貯蔵され、検索、演算、通信が可能となり、あらかじめ指示された具体的なプログラムがなくても、AIが膨大なデータに基づき確率計算と試行錯誤を繰り返すことにより最適解を導き出す。ロボットに搭載されると人間の判断を必要とせずに多様かつ複雑な作業が自動的、正確、かつ連続的に可能となる。

 これらを活用して製造業の大革新をしようというのがドイツの「インダストリー4.0」戦略である。工業化とは、生産者が規格品を大量に見込み生産し、流通過程に在庫を置き、宣伝、販売を行うことで生産性を向上させるものである。ドイツの戦略は、供給側から需要側へという商品の流れを逆転させる「脱工業化」である。極端な例でいうと「デザインはBMW、性能はメルセデス・ベンツ、価格はフォルクス・ワーゲン、色は自分好みの車がほしい」というパーソナル(わがまま)な需要でもオンデマンドでカスタマイズされた商品として供給することをめざす。モノのインターネット(IoT)、AI、ロボットを駆使すれば実現でき、在庫も売れ残り商品もなくなる。規格品に飽き足りない消費者の心をつかみ製造業の生産性を飛躍的に高め、資源とエネルギーの節約になる。

繊維メーカーが先鞭