超高層オフィスビル開発「森ビル」 六本木・虎ノ門からインドネシアに飛び出すワケ (2/2ページ)

森ビルがインドネシア・ジャカルタで開発を計画する地上59階建て複合ビルの外観イメージ(森ビル提供)
森ビルがインドネシア・ジャカルタで開発を計画する地上59階建て複合ビルの外観イメージ(森ビル提供)【拡大】

  • 森ビルがインドネシア・ジャカルタで開発を計画する複合ビルのエントランス外観イメージ(森ビル提供)
  • 森ビルがインドネシア・ジャカルタで開発を計画する複合ビルの商業施設エリア(森ビル提供)
  • 東京都港区の六本木ヒルズ
  • 東京都港区の虎ノ門ヒルズ

 さらに森ビルは東京で「六本木ヒルズ」竣工後の2008年、オフィスだけでなくホテルや商業施設、メディアセンターまでも擁する地上101階の「上海環球金融中心」を完成させた。担当者は「上海では森ビル品質は信頼が確立された」と胸を張る。

 上海での成功体験を背景に、インドネシアでの事業展開に舵を切った森ビルだが、「東南アジアでビル事業」という形式は、競合他社の海外戦略とは一線を画す。アジアでは高いビル賃料が見込めない一方、中間所得層の成長でマンション需要が伸びており、主流は「欧米でビル事業、アジアでマンション事業」の組み合わせという。

 独自路線の森ビルが見据えるのは、自社の使命とも位置づける「東京再開発」との相乗効果だ。

 上海環球金融中心では、六本木ヒルズで採用した歩車分離の街づくりを応用したペデストリアンデッキを整備した。中心街を見渡せるデッキは、いまや上海観光の一大観光スポットだ。加えて、比較的柔軟な規制緩和が行われる上海で、超高層の複合ビル開発を経験したことで、高層ビルにおける動線確保や施設配置のノウハウを獲得。“果実”は虎ノ門ヒルズ開発へ受け継がれていく。

 ジャカルタの新たな複合ビル開発では、上海環球金融中心を手掛けた米ニューヨークの設計事務所コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(KPF)とゴールデンタッグを復活させ、“好循環”に磨きをかける構え。世界を股にかけた技術と経験の蓄積を、自身と東京の発展へと還元させていく。(経済本部 佐久間修志)

■森ビル 1959年設立のデベロッパー。周囲の地主と協力して広い地区をまとめて再開発し、高層ビルや大型複合施設を建設している。コンサートホールを備え、都心の大型再開発の先駆けとなった「アークヒルズ」や、新興IT企業が拠点を構え「ヒルズ族」という流行語を生んだ「六本木ヒルズ」も手掛けた。東京都渋谷区の「表参道ヒルズ」や東京都港区の「虎ノ門ヒルズ」といった大型再開発も注目された。社員数は1294人(2017年4月現在)、売上高は2587億円(2017年3月期連結)。

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