これに対し、東芝メモリは四日市工場で第6製造棟を平成30年夏に稼働させるほか、32年ごろには岩手県北上市で新工場を稼働させる計画。ただ、29~31年度の投資額は9千億円超で見劣りは否めない。売却先選定の長期化やWDとの対立が影響し、新工場まで全て単独で投資するかを含め、詳細を詰めきれていない。
東芝メモリとしては、シェア3位のWDとの協業関係も維持して「3社連合」を目指すのが現実的だ。そうなればシェアは45%とサムスンを上回る。だが、日米韓連合への売却がWDの反発を招くのは確実。対抗軸の形成は簡単ではない。
データセンターなどに欠かせないフラッシュメモリーは極度の品薄状態。好調な市況が続く今後数年の対応で命運が分かれそうだ。(井田通人)
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