【和歌山発 輝く】「原材料こだわり」珍しい食酢・日本酒の蔵元に “逆ばかり営業”で販路拡大 (2/5ページ)

たくさんの木桶が並ぶ圧巻の酢蔵の風景=和歌山県紀の川市
たくさんの木桶が並ぶ圧巻の酢蔵の風景=和歌山県紀の川市【拡大】

  • 雑賀衆のシンボルマーク・八咫烏がデザインされた雄町純米大吟醸「雑賀」

 “点”を“面”に

 「和歌山から来たお酒とお酢を持って歩いている人がいる」「だったら、うちへ来いと伝えて」

 酒販店に紹介されて訪れた銀座の有名天ぷら店の料理長が和歌山県出身だった。その関係で複数の料理人と知り合いになり、酢と日本酒を売り込んだ。その後、注文を聞いたうえで、出入りの酒販店を教えてもらった。出先が決まれば酒販店も扱ってくれる。

 ある程度まとまったら、今度は問屋へ-。「点を線にして、面にしていった。まともに問屋さんに営業に行っても、まず買ってくれないので。水は上から下にしか流れないが、逆ばかりの営業を続けていった」と雜賀社長。通常とは逆のルートの営業が当たり、販路を拡大していった。

 現在、酢や酒は米国やフランス、中国など海外約20カ国で流通している。「持論だが、高度成長期にある国の方が酒の人気が高く、流通しやすい。まさに今の中国がそうで、酒を振る舞えることが富の象徴のように思える。そしてその後は、健康がテーマに切り替わってくるような気がする」。実際、欧州連合(EU)諸国では酢の取引が多く、化学調味料などを使っていない点が評価されているという。

 「経営者は体力勝負」。両親から受け継いだ強靱(きょうじん)な体とボクシングで鍛えた精神力、人当たりの良さで国内外を営業に回る。営業は流行をつかみ、新商品開発にもつながるからだ。

 「環境に適応した者が生き残る」と考えるが、流行ばかり追い求めてもいけない。「その見極めも社長の仕事」と語った。(山田淳史)

社長が心掛けていること