カビのパワーで肉を“スピード熟成” 明大発ベンチャーが開発 「近大マグロ」に続け! (2/2ページ)

エイジングシートを使って熟成中の熟成庫内の肉
エイジングシートを使って熟成中の熟成庫内の肉【拡大】

  • 画期的な熟成肉の製造技術を開発した村上周一郎明大准教授(右から2人目)ら=21日、明大
  • 熟成肉を使ったサイコロステーキ

 記者も発表会で、エイジングシートで製造されたローストビーフとサイコロステーキを実際に試食してみた。熟成肉特有のミルクやナッツに似た芳醇な香りが口の中に広がり、肉質も軟かくなっていて簡単にかみ切ることができて、食べやすかった。

 ファーストキッチンと、同社とウェンディーズとのコラボ店、ファーストキッチン・ウェンディーズは、10月26日から全国125店で、エイジングシートで製造した3種類の「発酵熟成肉和牛バーガー」を発売。中日本エクシスも10月6日から東名高速道の港北パーキングエリアなどで熟成肉を使ったサイコロステーキなどを販売する。

 食関連の大学発ベンチャーでは、世界で初めてマグロの完全養殖に成功した近大があまりにも有名だ。明大の土屋恵一郎学長は会見で、「近大マグロに対抗するつもりはない。肉は泳げないので…」と笑いを誘いながらも、「農学部のある私大は少ない。明大の新たな社会貢献として素晴らしいことと思っている」と意気込みを語った。(SankeiBiz 柿内公輔)