東芝メモリ株、政府系2社に33.4% 「拒否権」持たせ技術の国内維持を確実に

 東芝が売却する半導体子会社「東芝メモリ」(東京)に関し、政府系の産業革新機構と日本政策投資銀行が出資前から議決権の計33.4%を実質的に握る計画であることが22日、分かった。「指図権」と呼ばれる手法を使って2社で重要な経営判断への「拒否権」を持つ。経済産業省が重視する技術や雇用の国内維持を確実にする狙いだ。

 買い手陣営の中心メンバーとなっている米ファンドのベインキャピタルが「日米韓連合」として提案した。東芝などと最終的な議決権比率などを固め、近く契約する。

 日米韓連合は東芝メモリ株式を約2兆円で買収する。内訳は、東芝が議決権のない優先株を含め3505億円を出資し、議決権の40.1%を取得する。ただ売却後も大きな権限を持つことに異論もあり、米ウエスタン・デジタルが売却中止へ起こした訴訟の解決後に出資する革新機構と政投銀に対し、あらかじめ33.4%分を委ねる。

 ベインは同様に4400億円を出資し49.9%を持つ筆頭株主となる。

 このほか日本企業が270億円程度を出資し10.0%を持つ。半導体関連メーカーのHOYAの出資が固まっている。東芝の分と合わせて議決権を50.1%とし、日本勢で経営を主導する。

 フラッシュメモリーで競合する韓国半導体大手SKハイニックスが1500億円、重要顧客のアップルやデルなど米IT大手4社は計4400億円超を、いずれも優先株で出資する。IT大手4社には政府系2社の出資時に返還する計画だ。SKは将来、議決権を取得する見込みだが、関係各国の独禁法審査が長期化しないよう最大でも15%程度に抑える。東芝の取引銀行は計6000億円を融資で拠出する。

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