【ビジネスのつぼ】人間主体変わらず…マツダ「CX-5」、走る喜びと美しさでSUVブーム牽引 (3/5ページ)

CX-5の開発、デザインなどを担当するマツダの松岡英樹氏(左)と諫山慎一氏
CX-5の開発、デザインなどを担当するマツダの松岡英樹氏(左)と諫山慎一氏【拡大】

  • 同車種の2WDとの燃費差を最小2%に抑えた4WDの「CX-5」=北海道上川郡剣淵町
  • CX-5を製造するマツダの本社工場=2012年7月、広島県府中町
  • 資本提携を発表するマツダの小飼雅道社長(右)とトヨタ自動車の豊田章男社長=8月4日、東京都中央区

 同乗者に配慮しているのもCX-5の大きな特徴だ。遮音材や制振材の最適化で、騒音を大幅に低減。大きな声を出さなくても、車内で会話が楽しめる。

 最高の走りの“相棒”

 また、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変える技術「G-ベクタリング・コントロール」を全車に標準装備した。たとえば、ハンドルを切ると、トルクを落として横方向に振られる加速度を縦方向に逃し、助手席に座る人の体が揺れず、疲労を軽減する。

 CX-5の累計世界販売台数は約176万8000台で、ディーゼルエンジン車の比率は7割を超える。馬力の強さや優れた燃費性能が購入者から高い評価を得ている。

 環境規制の強化を背景に、自動車業界では電気自動車(EV)など電動化車両に舵(かじ)を切る動きが広がる。商品本部の松岡英樹主査は「EVが普及しても、内燃機関の効率の向上が二酸化炭素(CO2)排出の貢献に果たす役割は大きい」と訴える。

 衝突回避を支援し、被害軽減を図る独自の先進安全技術「アイ・アクティブセンス」も標準搭載。車線逸脱時に警報を鳴らしたり、車線変更時に斜め後方から接近する車両を知らせたりすることができる。

「初代の発売当時は、まだまだSUVが普及しておらず」