【環境経営に挑む 積水化学工業】(2)インフラ設備が縁の下の力持ち

矢津干潟(千葉県習志野市)では、自然環境を守ることの大切さを学んだ
矢津干潟(千葉県習志野市)では、自然環境を守ることの大切さを学んだ【拡大】

  • 千葉積水(千葉県市原市)が取り組む「潤いの森プロジェクト」の説明を聞く
  • 参加者全員にiPadが配布され、活動の記録や情報共有に有効活用
  • 防災トイレを体験

 今回の「世界こどもエコサミット2017」では、初日のオリエンテーションに続き、2日目には千葉・成田のホテルでオープニングセレモニーが行われた。

 あいさつの中で、高下社長は「環境はあらゆる命と経済の源。すべての人々や組織は環境の恩恵を受けており、環境問題について考えなければならない」と問いかけた。

 その上で「地球温暖化や食糧不足、廃棄物の増加、さまざまな問題をニュースで耳にしているはずだ。われわれは『今までのやり方だと地球の限界を超える』ということに初めて気づいた世代。気づいたからには変わらなければならない。まだ間に合う。変わりましょう。自分はどう変わるのか。どんな社会に変わるべきなのか-。あなたたちが考えることをサポートをします」と述べた。

 サミットの意義は環境問題について考え、話し合い、宣言をまとめることだ。とくにさまざまな国の人が一堂に介し環境を語り合う機会はなかなかないだけに、積水化学が期待していたのは「ダイバーシティを認め合った上での」環境宣言。「さまざまな視点によってできた宣言は、きっと素晴らしいものになるはず」と、高下社長は激励した。

 環境関連のプログラムは、まずわれわれが抱える地球規模の課題について学習した後、谷津干潟(千葉県習志野市)で干潟の観察や生き物調査を行い、自然環境保全の重要性を理解していった。また、国内の事業所が取り組む環境対策や、地域に対する独自の環境貢献活動を学び、世界の事業所活動のヒントを探し求めていった。

 東京湾の最奥部に残された約40万平方メートルの干潟である谷津干潟は、93年に国際的に重要な湿地として認められ「ラムサール条約登録湿地」となった。

 しかし近年は、緑藻やアオサの繁茂と腐敗、泥の流出、渡り鳥の食物となるゴカイ類の減少、干潟面積の縮小などによってシギ・チドリ類の飛来数も減少している。このため現地では、生物のモニタリングやアオサやゴミの回収など、行政と地域住民、研究機関、企業などが一体となり、干潟の保全を進めていく取り組みが求められている。

 日本は世界有数の環境先進国として知られている。それにもかかわらず、自然環境にかかわる深刻な問題が残っていることについて子どもたちも認識、熱心な質疑応答が繰り広げられた。

 次に向かったのが、塩化ビニール管などを生産している千葉積水工業(千葉県市原市)だ。千葉積水は“実せる”工場を合言葉に、上下水道や給排水向け管材といったインフラ関連商品の展示とデモンストレーションを行える施設を設けている。

 子どもたちはデモを通じ、こうしたインフラ設備が環境問題解決の縁の下の力持ち的な存在であることを、改めて認識した。とくに人気を集めたのが、硬質塩ビ材をスパイラル状に管路の内部に巻き付け、既設管路と一体化した強固な複合管とするSPR工法だ。

 東日本大震災を機に従業員だけでなく地域住民が安全に避難できる災害拠点として、防災対策を強化している点も千葉積水の特徴だ。

 敷地内の一角には「防災広場」を整備。災害時に炊き出しを行えるように防災かまど・キッチンを設けている。また、仮設トイレの配管システムを埋設した防災トイレも用意しており、インフラ整備の重要性をアピールした。

 千葉積水では独自の取り組みとして、里山の環境を復活させる「潤いの森プロジェクト」を展開している。季節に応じて樹木の手入れや生き物観察会などのイベントを開催しており、地域コミュニティとのつながりの深化が環境対策に有効であることも、子どもたちは学んだ。

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