【環境経営に挑む 積水化学工業】(4)次世代環境教育の実施を宣言

工場見学や自然の観察を通じリサイクルなどの重要性を再認識した7チーム、計47人が提言発表を行った
工場見学や自然の観察を通じリサイクルなどの重要性を再認識した7チーム、計47人が提言発表を行った【拡大】

  • 千葉積水で行われたインフラ設備のデモを見守る子どもたち
  • 「環境経営に力を入れる積水化学グループとして、きちんと実行していくことを約束する」と話す高下貞二社長=東京都港区

 発表には7チーム・計47人の子どもたちが臨んだ。各人が自分の言葉で環境対策のあり方について述べ、最後にチームとして提言を発表するというスタイルで進められていった。

 目立った感想が再資源化に関するもの。「3R」(リデュース、リユース、リサイクル)を徹底的に行うという、セキスイハイム工業東京事業所の取り組みに、関心を抱いたようだ。具体的には「最低限のゴミしか出さないという姿勢に心を打たれた」「米国でも日本のようにリサイクル重視型の社会を構築できるはず」といった意見が相次いだ。

 また、千葉積水のデモンストレーションも強いインパクトを与えた。中国の子どもは節水トイレの実演に興味を抱き、「中国のトイレは大量の水を使っている。水の浪費をなくすためにも節水型トイレを普及させ、水を大事にすべきだ」と述べた。

 谷津干潟を取り巻く環境の改善が進まない点にも、子どもたちは衝撃を受けた。「日本では海や川や公園にゴミを捨てる人が多い」といった指摘があったほか、「谷津干潟では包装紙がたくさん見受けられた。日本では包装を厳重に行う風習があるので、土に早く還る素材の包装紙を使った方がよい」といった意見も聞かれた。

 意見に基づいた各チームの提言は「マイバッグなどを使うようにする」「日本では分別の表示がはっきりしているので、ゴミを捨てやすい。日本のようにきちんと表示することを訴えていきたい」といったようにバラエティーに富んだ。

 これに応える形で「リサイクルをはじめとした環境活動が『どうして必要か』ということを身をもって体験したので、提案した活動に、まず取り組んでほしい。家庭、学校、地域と順次広げていってもらわないと提言は達成できないと思う」(加藤敬太・高機能プラスチックスカンパニープレジデント)といったように幹部が感想を述べると同時に、アドバイスを送った。

 今回のエコサミットでは環境教育関連の意見や提言が目立った。「未来の子どもたちのために、ゴミを減らす方法について教育すべき」「韓国ではリサイクルに関する教育が不十分でゴミの山などが問題となっている」「欧州は環境意識が高いのに対し、タイでは環境教育が不十分なため意識が低い。教育によって意識を強くすることが重要」といったように、海外の子どもから環境教育の必要性を指摘する意見が相次いだ。

 日本の子どもも環境教育に対しては厳しい見解を示している。具体的な意見のひとつが「日本では環境問題について小中学校から勉強する機会はあまりない。環境問題の発端はすべての人間にあり、一人一人の意識を変えていく必要があるため、小さいころから環境や生き物が多様であることの意味を知っていれば、身の回りの環境に注意を払うようになるはず」。

 また、「地球環境がすごいスピードで変化していることについてサミットを通じ理解した。しかし教育が不十分なので、ほとんどの学生がそうした話を認識していない。このため大人になっても、自分たちがやるべきことが分からないでいる。環境教育を学校教育の一環として取り入れるべきだ」という意見も聞かれた。

 こうした流れを踏まえ、新たな環境貢献宣言として環境教育の実施を掲げた。高下社長にとっての環境教育は「一人一人がこの地球環境をよくしようという意識の問題」。その上で「私の幼少期は環境教育がなかったが、未来の地球を救っていくためには環境教育というのは必要不可欠なもの。これから全世界で、どんどん子どもたちに教えていかなければならない。環境教育といっても色々なものがある。教材を作ったり世界各地で色々な学校教育に貢献したりと、具体的な方法はこれから考えていくが、環境経営に力を入れる積水化学グループとして、きちんと実行していくことを約束する」と締めくくった。

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