【環境経営に挑む 積水化学工業】(7)環境長期ビジョンを策定


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  • エスロヒート地中熱
  • 水溶性フィルム
  • 高性能ポリエチレン管「クウチョウハイパーCH」
  • フィルム型リチウムイオン電池

 積水化学ループは環境経営を推進するため、「SEKISUI環境サステナブルビジョン 2030」という環境長期ビジョンを策定している。事業活動は自然資本に依存しているため、経営層と全従業員が「環境活動推進力の高い人材」へと進化を図るのがねらい。それを踏まえ地球から授かったもの以上に地球に返していくため、前出の3つの活動による貢献を軸に、経営を推進している。

 こうしたビジョンに基づき積水化学は、グループ全体の17~19年度の新たな環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプラン Accelerate(アクセラレート=加速)」を策定した。

 前中期計画である14~16年度の活動を振り返ると、環境貢献製品の新規登録件数の伸びが目立った。具体的な件数はフィルム型リチウムイオン電池や耐薬品性水溶性フィルム、空調用管材、エリア貢献型製品としてタイで供給されている住宅など45件。目標の30件を大きく超えて達成した。

 温室効果ガスの排出量は総量維持を目標として掲げ、0.3%引き下げに至った。生産量拡大の計画がある中、事業所内緑地の質向上に関しても、目標を上回った。

 一方で目標に達しない項目もあった。例えば環境貢献製品は、太陽光発電システム搭載住宅の売り上げ減などによって、売上高比率50%以上という目標には5ポイント近く足りなかった。

 また、実質的な原単位の改善が不十分でエネルギー使用量と廃棄物の削減目標は未達。環境ウィークの期間中は従業員参加率100%を目標に掲げていたが、実績は70%だった。

 積水化学では一連の結果を踏まえ(1)事業拡大時に増加する、温室効果ガスや廃棄物の抑制を強化(2)環境活動への従業員の参加意識を定着すること(3)目標達成に向けた実効性の向上-が、課題として浮き彫りになったと指摘している。

 17~19年度の新環境中期計画は、こうした課題と社会状況をかんがみて方向性を定めた。具体的には「気候変動」「資源の枯渇」「生態系の劣化」という地球規模の3つの課題に対し今後取り組むべき項目を整理。節目となるマイルストーンを設定し、地球課題の解決に向け、意欲的な目標を掲げて実効性を上げる施策を展開していく考えだ。

 新環境中期計画は、大きく3つのポイントによって構成されている。

 そのひとつが環境経営の進捗管理の本格展開。統合指標「SEKISUI環境サステナブルインデックス」により、事業や自然環境の保全活動などすべての環境に関わる活動を「自然資本へのリターン率」としてポイント化して評価する。16年度は77%だったが、19年度には90%を目指す。30年度の長期目標は100%だ。

 製品・サービスを利用する顧客の使用段階で、高い環境貢献効果を発揮する環境貢献製品については定義を見直す。この制度は一定の基準に基づいて認定を行い、社外有識者によって構成されるアドバイザリーボードで、その妥当性などについて評価、判断をおこなうもの。従来は「環境イコール自然環境」という枠組みの課題を重視していたが、今後は社会資本など社会環境の課題も重視していく。

 これらの貢献を拡大していくことで16年度は45.2%だった環境貢献製品の売上高比率を60%以上まで引き上げることを目標としている。

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