リーダー不在の寄り合い所帯 日米韓連合、「東芝メモリ」会見で不手際 会場には怒号も (4/4ページ)

会見中止を謝罪するベインキャピタルの杉本勇次日本代表=28日、東京都千代田区のパレスホテル
会見中止を謝罪するベインキャピタルの杉本勇次日本代表=28日、東京都千代田区のパレスホテル【拡大】

 「差し止めが一番嫌です」と東芝関係者は本音を漏らす。東芝は裁判で勝つつもりだが、もし負ければ、売却自体が白紙となる可能性があり、債務超過を解消できない事態に陥りかねないからだ。

 かたや、WDも東芝が四日市市の新工場棟の単独投資を決めており、次世代の半導体メモリーを販売できない可能性がある。東芝は訴訟に負けようものなら「WDが設備を買っても、(東芝が手がける)工場のオペレーションはしない」(東芝関係者)。顧客への供給責任が果たせなくなれば、経営への深刻な打撃になる。

 日米韓連合関係者は東芝に対し、WDに現状の条件の供給継続を約束することで年内に和解にこぎつけることを提案しているもよう。ただ、そんな条件をWDがのむのか。WDも「裁判で何が合理的かを分かってもらう」と鼻息は荒い。

 両社の関係修復の道筋は一向に見えてこない。このままチキンレースを続ければ、共倒れの危機が現実味を帯びる。(万福博之、井田通人)

 ■東芝の半導体メモリー事業売却をめぐる経緯

  1月27日 半導体メモリー事業の分社化を発表

  2月14日 同事業の売却方針を表明

  3月29日 1次入札を締め切り

  4月 1日 同事業を分社化し、「東芝メモリ」が発足

  5月15日 WDが国際仲裁裁判所に売却差し止めを申し立て

    19日 2次入札を締め切り

  6月15日 WDが米裁判所に売却差し止めを申し立て

    21日 日米韓連合を優先交渉先に決定

  8月10日 WD陣営、鴻海精密工業陣営とも交渉開始と表明

    24日 経営会議でWDと優先的に交渉を進めることを確認

    31日 WDへの独占交渉権付与を見送り、3陣営との交渉継続確認

  9月13日 日米韓連合と売却契約に向けた協議の覚書締結

    20日 取締役会で日米韓連合に売却する方針を決定

    28日 日米韓連合と売却契約締結

 10月24日 臨時株主総会で東芝メモリ売却について説明

 来年3月 東芝が上場を維持するための東芝メモリ売却期限

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