成長分野に経営資源シフト パナ、液晶工場で車載用電池生産へ

 パナソニックは29日、産業向け液晶パネルを製造している兵庫県姫路市の工場で、車載用電池の生産を2019年度に始めると発表した。同工場では16年にテレビ向け液晶パネルの生産から撤退しており、空きスペースを活用して成長分野に経営資源を振り向ける。現行の産業向け液晶の生産体制は維持する方針だ。

 生産するのはプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)に搭載する角形のリチウムイオン電池で、国内自動車メーカーに出荷する。生産設備を導入するための投資額は非公表だが、数百億円規模になるとみられる。

 パナソニックは車載用電池事業で今年に入り米国の工場で米EVメーカー、テスラ・モーターズ向けの大量生産を始めるなど国内外で体制を強化している。

 姫路工場では薄型テレビ向け液晶パネルの量産を10年に始めたが、業績の低迷から16年に方針転換し、自動車や医療用の中小型液晶パネルの生産に切り替えていた。