【eco最前線を聞く】100%植物由来の生分解性プラスチック (2/3ページ)


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  • バイオワークスによる「完全」植物由来プラスチックを使った試作品=東京都渋谷区

 --添加剤の役割は

 「ポリ乳酸を基に植物由来の成分を複数種類配合したもので、ポリ乳酸の結晶化速度を高めるだけではなく柔軟性、耐熱性、耐衝撃性をも向上させる。また結晶化速度が上がったことで、ポリ乳酸のナチュラルなものに比べると10~20倍もの生産性が向上した。添加剤は成型のために使い、ポリ乳酸の量の5%程度の量が目安となる」

 --主成分のポリ乳酸も添加剤も植物由来。だから100%植物由来のプラスチックが完成した

 「生分解性のため、一定の条件であれば分解する。具体的には、温度と湿度とpH(酸アルカリ度)によって加水分解が始まり、その後は菌によって生分解される。強アルカリ、酸の環境下で条件がそろえばおよそ1週間程度で水と二酸化炭素(CO2)になる。家庭用の生ゴミ処理機で簡単に分解できるプラスチックともいえる」

 ◆今後は実用化へ実証実験

 --ものづくりのベンチャー企業は「事業化への大きな壁」に直面しがちだが

 「どんな用途に使えるのか、実際に飲料用のボトルなどに成型して使ってもらおうと実証試験を試みたが、それをできるだけの企業体力がバイオベースでは不足していた。そこでバイオベースの事業を発展的に解消し、事業化を目指す会社として、バイオワークスを15年10月に立ち上げた」