【リーダーの素顔】セキュリティーなど付加価値提供 (1/3ページ)


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 □インフォメーション・ディベロプメント社長・舩越真樹さん

 さまざまなモノが通信でつながるモノのインターネット(IoT)が普及しつつある中、コンピューターやネットワークを狙ったサイバー攻撃への懸念も広がる。ITサービスを展開するインフォメーション・ディベロプメントのトップとして、「サイバーセキュリティーや人工知能(AI)など、付加価値の提供に力を入れることで会社を大きくしていきたい」と意気込む。

 --サイバーセキュリティー問題に取り組んだのはいつ

 「20年前に事業参入したのですが、その頃企業の間ではサイバー攻撃への危機意識は希薄でした。ただ、私の前職は損害保険会社の営業マンだったので、『損保はお守り。サイバーセキュリティーも、何かあったときのお守り』と、周囲を説き伏せたのです。社員の結束度を高めるには、『組織は常に新しいことに取り組む』という癖をつけなければならない。そういう思いも原動力でした。当時の社長は妻の父親で創業者だったので、『婿さんが何かやっている』といった反応が強かったです」

 --事業は順調に進んだのか

 「市場がセキュリティーの有用性に気づき始めたのは、2000年以降。私の発想は早すぎたようです。ウェブサイトを判別し、(危険サイトなどを)選択的に排除するフィルタリング技術に着目して、米国の会社に1億円以上を投資したのですが失敗。最終的に、二束三文で売却しました。しばらくして再び取り組み、現在は業績を支える役割を果たしています」

 --いったん撤退したときには責任を取った

 「副社長から専務に降格しましたが、周囲は『婿さんだから、次の株主総会で再び昇格するのだろう』とみていました。シナリオ通りだと悔しいので、復帰を断りました。任期満了まで2年間にわたって、専務の役職を続けました」