ベンチャーが埋める巨大企業の死角 トヨタなど出資、無視できない存在に (2/3ページ)

PKSHATechnologyの画像認識エンジン「VerticalVision」(同社提供)
PKSHATechnologyの画像認識エンジン「VerticalVision」(同社提供)【拡大】

 PKSHAの上野山勝也社長は9月のインタビューで、米IBMや日立製作所など車載向けのソフトウエア開発を手掛ける従来型の巨大企業はその巨大さゆえに、自動運転など新規事業に適切に対応できない「イノベーションのジレンマを抱えている」と指摘する。同社のようなベンチャーのメリットは大手よりも素早く特定の分野に集中できる点にあるとした上で、「われわれは製品や事業領域、戦略を絞り込んでいる」と話した。

 上場初日のPKSHA株の終値は公開価格2400円に対して5840円となり、2日目も前営業日比17%高(公開価格比2.9倍)の6840円とストップ高となり投資家の高い期待がうかがえる。同社の17年9月期の売上高計画は8億9000万円、営業利益は3億6100万円。前期単独との比較では94%増収、営業利益は2.3倍で、継続取引先の増加や新規アルゴリズムソフトウエアのリリースなどが寄与するとしている。

 上野山社長は東証での上場会見で、自動運転と関係する自社の技術領域について現在は主に人が手掛ける「画像を見て、それを認識して分ける」作業を「完全にコンピューティングでやってしまう」ことと説明。トヨタとの協力については車が「将来的にはいわゆる大きなコンピューターになる」との見通しのなか「いろいろな連携ができないかというところを模索している」と述べた。

 いちよし経済研究所の藤田要アナリストはリポートで、PKSHAについて、AI技術分野を中心に自社開発のアルゴリズムを複数保有している上、アカデミック領域で高い専門性を有するメンバーが在籍している点が強みと評価。トヨタの出資で、自動運転などの研究開発で連携が深まる可能性があるとみる。

アルゴリズムの時代