東芝迷走に拍車かけた経産省の介入 国頼みの体質、経営再建に影 (2/3ページ)


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 キーマンとなったのは、7月の省内人事で新たに就任した寺沢達也商務情報政策局長だ。英語が堪能で、交渉では食いついたら離さない“ハウンドドック”との異名を持つ。WDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)と渡り合い、譲歩を引き出したことが、膠着(こうちゃく)した事態を打開した。

 「今のトップは暫定だ。ぜひ、斬新な人事をやってほしい」。経産省幹部は、東芝メモリ社長を兼務する成毛康雄副社長がWDに強い拒否感を示していたことから、社長交代までほのめかしていた。

 ところが、誤算が生じる。8月末の詰めの協議でWDが過剰な権益拡大を求め、東芝の不信感を増幅させた。ほぼ同時期に日米韓連合側が買収総額の積み増しなど破格の条件を示すと、流れは再び日米韓連合に傾いた。

 経産省幹部は「われわれは一貫して、技術流出の防止と雇用の確保だけは譲れないと言い続けてきた」と語る。売却交渉に深く関与したのは、売却先によっては国益が損なわれる懸念があったからだ。買収提示額の高かった鴻海が、候補から外れたのもそのためだ。

 結果的に、こうした介入が東芝の選択肢を狭めて交渉を困難にし、売却交渉が迷走した。

 債務超過解消道険し

 一方で、未曽有の危機に際し、東芝が政府にすがったのも事実だ。革新機構幹部は「うちが動いたのは、そもそも4月に綱川智社長に頼まれたからだ」と振り返る。

国頼みの東芝の体質、経営再建にも影

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