柏崎刈羽「合格」規制委「これで終わりではない」今後も東電を注視

東京電力柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機=新潟県
東京電力柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機=新潟県【拡大】

  • 柏崎刈羽原発6、7号機の審査書案について会合に臨む原子力規制委の更田豊志委員長=4日午前、東京都港区

 「これで終わりではない」。4年間の安全審査、5週にわたった定例会合での集中議論の末に、再び原発運転の資格を東京電力に与えた原子力規制委員会。更田(ふけた)豊志委員長は4日の定例会見で、今後行われる保安規定の審査でも「新たな論点が生まれるかもしれない」と述べ、原子力事業者としての「適格性」を認めた東電を今後も注視していく姿勢を示した。

 柏崎刈羽原発6、7号機をめぐる審査は、今年7月以降に急展開した。6月末に東電経営陣が交代したのが主な要因で、任期切れが9月中旬に迫った田中俊一前委員長は、小早川智明新社長を呼んで「福島の廃炉で主体性が見えない」と叱責したり、審査中の原発を初めて視察し職員と面談したりと精力的に動いた。

 「福島第1原発事故を起こした事業者の適格性について、われわれが納得できなければ、国民も納得できないだろう」と田中氏(7月の定例会見)。

 しかし、適格性の審査は「前例がない」(更田氏)ため手探り状態。合格しても再稼働に必要な地元同意の判断は数年後で、「審査を急ぐ理由がない」(規制委幹部)と疑問の声も聞かれた。最終的には「福島に向き合い、廃炉をやり遂げる」「安全性より経済性を優先させない」などとした小早川氏の提出文書を評価し、口約束で終わらせないよう、保安規定に明記させることで決着した。

 「東電の国民に対する約束がきちんと履行されるか注視していきたい」と更田氏。保安規定にどのような形で「安全文化」が記述されるかが次の焦点になる。ただ、専門用語が並ぶ技術的審査とは違い、国民が納得する言葉で規制委は適格性の結論を示せたのか。注視されるのはお墨付きを与えた規制委の説明能力でもある。(鵜野光博)

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