【京都発 輝く】丸二 「京からかみ」壁紙など内装材で需要拡大 (2/5ページ)

体験施設「唐丸」で京からかみを製作する様子を見せる丸二の関係者ら=8月、京都市下京区
体験施設「唐丸」で京からかみを製作する様子を見せる丸二の関係者ら=8月、京都市下京区【拡大】

  • 西村和紀社長
  • 唐丸で販売している「京からかみ」関連商品。ウォールパネル(上)、体験キット(中)、スタンプ(下)

 ◆体験施設「唐丸」開業

 「京からかみ」は、平安時代から中国・唐の技術を国産化した版画の一種。文様を手彫りした版木に貝や海藻など自然由来の塗料を塗り、上に置いた紙を手のひらでこすって1枚ずつ印刷する。主にふすまの障子紙として使われ、当初は貴族らが使っていたが、江戸時代からは町民ら庶民にも広がった。

 「京からかみを伝える業者は京都市内でも2社だけ。塗料の臭い、そして紙の風合い。これが魅力でしょう」

 1902(明治35)年創業という丸二の西村和紀社長は、京からかみの事業展開に誇りを示す。

 そんな丸二が新たな需要開拓に欠かせぬ戦略として今年8月に開業したのが体験施設「唐丸」。京からかみを実際に作る版木を使い、参加者が職人らから教えてもらいながらふすま絵やポストカードを実際に作れるようにした(有料、予約必要)。京からかみを知って、体験し、楽しめる場というのが基本コンセプトだ。

 こうした事業計画は昨年、京都商工会議所が力を入れる「知恵ビジネスプラン」に認定された。西村社長は「新たな京からかみの魅力発信につながった」と一定の手応えをつかんだ。

 一方で、ビジネス面では課題も多い。まずは需要の開拓だ。西村社長は「日本の住宅も和室が減ったことで、ふすまの紙としての需要は激減する一方」と危惧する。ただ、洋室の壁紙などの内装材として提案していくことで、京都市内の高級ホテルで採用される動きも出てきた。

 少子高齢化や人手不足による製造面の不安もポイントだ。京からかみの製造は従来、外部の職人に製造を委託してきたが、約4年前にハローワークを通じて職人になりたいと希望する30代の2人を採用。製造部門の内製化を少しずつ始めている。2人に職人から技術を引き継ぐ修業をさせることで、京からかみの製造を当面は安定化させたい考えだ。

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