アパレル界を変革 和歌山発の編み機 (3/3ページ)

島精機のホールガーメント横編み機(ブルームバーグ)
島精機のホールガーメント横編み機(ブルームバーグ)【拡大】

  • 島精機の島三博社長(ブルームバーグ)

 ホールガーメント横編み機の販売では、欧米や日本など消費地に近い先進国を中心に伸ばしていきたい考え。同編み機の販売台数は上半期(4~9月期)で前期(17年3月期)実績700台を超えており、通期では1500台を目指しているという。島社長は、機械化を目的に新興国に販売すると衣料品の低価格化やコモディティー化が加速しかねず「産業自体が疲弊し、自らの首を絞めることになる」と指摘。「新しい付加価値を付けるための戦略機として理解してくれる顧客だけに販売したい」と語った。

 立花証券の島田嘉一アナリストは、アパレルメーカーにホールガーメント横編み機の採用が広がるかが今後の鍵になるとし、普及の進捗(しんちょく)が遅れれば「この会社のリスクにつながっていく」との見解を示した。

 55万石の旧紀州藩の城下町で島精機が創業してから55年目の今年、長男の三博氏が創業者の正博氏から社長のバトンを受け取った。島社長は「本田宗一郎や松下幸之助のように、島精機は一人の天才発明家が引っ張ってきた会社」と話す。組織や意識の変革を全員の力で成し遂げるようにすることが自身の大きな仕事になると述べた。

 主要技術の機械やシステム分野に加え、「今後10~20年を考えると、素材や医療、化学など多方面の先端技術が必要」と考えており、世界中から開発に携わる優秀な人材が和歌山に集まることを期待している。(ブルームバーグ Emi Urabe、Kazunori Takada)

今、あなたにオススメ
Recommended by