エネルギーは無尽蔵も… ソーラーカー量産車化、遠い道のり (1/4ページ)

新型プリウスPHVの太陽光パネル(ブルームバーグ)
新型プリウスPHVの太陽光パネル(ブルームバーグ)【拡大】

 世界のソーラーカーレースでは畳のように大きなパネルを載せた車が疾走する。運転席が小さく、一般車とは大きくデザインが違う。パネル表面が高温になると発電効率が落ちるため、レースでは休憩地点で水を掛けて冷やすこともある。無尽蔵の太陽光エネルギーで走るソーラーカーは夢の車と期待されてきたが、2017年の今も実用化への道筋は見通せていない。

 普及へ「第一歩」

 「究極は確かにソーラーパネルだけで走れる車をつくりたい」-。トヨタ自動車が先ごろ国内発売した新型プリウスのプラグインハイブリッド車(PHV)の開発を担当した金子将一氏はこう話す。オプションで車体の屋根にパネルを設置し、太陽光エネルギーを走行に利用できる世界初の量産車だが、太陽光のみで走行可能な距離は1日最長6キロメートル程度にとどまる。日照時間に左右されるため東京では約5キロという。今後はパネル設置に適した専用設計にして航続距離を10キロ程度にすることが可能との見通しだ。

 トヨタは新車の二酸化炭素(CO2)排出量を50年に10年比で90%削減する目標を掲げ、次世代車の開発や普及に取り組んでいる。金子氏は、今回の量産車への太陽光パネル搭載は車の動力に太陽エネルギーを使う技術に向けて「第一歩を踏み出した意義がある」と語った。

 新型プリウスPHVには太陽光パネルが屋根の曲面をなぞるように設置され、レース用とは異なり、乗用車らしい車体の形状を保っている。発表会でトヨタの吉田守孝専務は「流麗なルーフ」へのパネル設置を苦労した点として挙げた。

「もうかる、もうからない」よりも「純粋に車として動かしたかった」