日本の石炭火力、カギ握るIGCC 「パリ協定」背景に発電方法でCO2の“逆風” (3/3ページ)

常磐共同火力が運営する勿来発電所のIGCC=9月、福島県いわき市佐糠町大島
常磐共同火力が運営する勿来発電所のIGCC=9月、福島県いわき市佐糠町大島【拡大】

 また、再生可能エネルギーの利用や原発再稼働で、採算性にも疑問符が付き始めている。

 その結果、関西電力と東燃ゼネラル石油(現JXTGホールディングス)が3月、千葉県市原市の石炭火力発電所建設プロジェクトを「事業環境の変化」を理由に断念するなど見直しの動きが出てきている。

 ■試される技術力 IGCC普及が鍵

 海外でも石炭火力は厳しい状況にある。再生可能エネルギーが普及する欧州では、フランスが23年、英国が25年までに石炭火力を全廃する方針。米国もシェールガスに移行し、石炭火力は下火になっている。

 ただ、世界的に電力需要が伸びる中、チリやタイ、ポーランドなど産炭国は依然、建設に前向きだ。国際エネルギー機関(IEA)の16年の報告によると、世界の発電量のうち41%は石炭火力が占め、ガスの22%、原子力の11%を大きく上回る。

 このためIGCCなどの普及が石炭火力の将来の鍵を握る。勿来発電所の石橋喜孝本部長は「海外の効率の悪い石炭火力をIGCCに置き換えればCO2削減に貢献できる」と指摘する。

 日本の技術力で石炭火力の活路を見いだせるかどうか。日本の電力は岐路に立たされている。(会田聡)