投票で続編制作、動画アプリが注目 「abasaku」視聴者・制作者の双方向性に着目

スマートフォン向け動画視聴アプリ「Flick!On!TV」
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 需要が高まっている動画視聴アプリで、視聴者側と制作者側の「双方向性」が注目されている。動画制作などを手がける「abasaku(アバサク)」(東京都江東区)は8月に、視聴者が“投票”して番組の続編制作を決めることができるスマートフォン向け動画視聴アプリ「Flick!On!TV(フリック・オン・ティービー)」の提供を始めた。若手芸人らを起用した独自制作のバラエティー番組などが配信されており、視聴者がタレントや番組を育てる感覚を味わえるシステムになっている。

 視聴者は動画視聴中にスマホの画面を指先で操作し、気に入った番組や応援しているタレントが出演している番組にポイントを与えることができる。ポイントは毎日無料で一定数を受け取ることができるが、有料で購入することも可能だ。

 若手芸人らが一般人をゲストに招いてトークで盛り上げることができるかどうかを試すバラエティー番組「一般ピーポーSHOW」など、独自制作の計11番組を配信している。多くのポイントを獲得した番組は続編が制作される。

 元お笑いタレントという異色の経歴を持つ同社の中野一誠社長は「作り手と視聴者が双方向の結び付きでニーズをつかみ、より面白いエンターテインメントを生み出すことが可能となる。来年、100万ダウンロードを達成するのが目標」と話した。今後は知名度の高いタレントの起用や新番組の追加などで発信力を強化していく考えだ。