印でAT車へ買い替え加速 都市渋滞深刻化、簡単操作求める (1/2ページ)

深刻な首都ニューデリーの交通渋滞(AP)
深刻な首都ニューデリーの交通渋滞(AP)【拡大】

 多くのマニュアル(MT)車が走るインドで、操作が簡単なオートマチック(AT)車に買い替える動きが加速している。背景には都市部での交通渋滞の深刻化がある。

 インド向けに仕様を変更せずにグローバルブランドを投入できるようになる自動車各社は、この動きを歓迎している。今後5年以内にインドには多くの新型車が投入される予定で、300億ドル(約3兆3700億円)規模の自動車市場での競争は一段と激化しそうだ。インドは2020年までに中国と米国に次ぐ第3位の自動車市場になるとみられている。

 インド大手のタタ自動車によれば、「インド人ドライバーの運転時間は1日当たり平均2時間にまで伸びている。ドライバーはインドの道路でも楽に運転できるようになることを望んでおり、このことがAT車の需要を促進する最大の原動力になっている」と分析する。

 インド市場の改善に伴い、海外企業の参入も増えている。中国自動車最大手の上海汽車はインド初の工場建設を進めており、19年にも傘下の英ブランド「MG」の生産を開始する。韓国の起亜自動車も参入を計画している。

 AT車はMT車より12万ルピー(約21万円)程度割高で、これまでインドの消費者は買い替えに消極的だった。この結果、AT車の普及は米国などに大きく後れを取っていた。AT車の販売シェアは2年前の倍以上に拡大したとはいえ、なお企業の売上高全体の5%余りにすぎず、先進国に比べて極めて低い水準にある。しかし都市部の人口と自動車の所有率が拡大する中で、交通渋滞は悪化の一途をたどるとみられる。インドの自動車メーカー、マルチ・スズキは20年までにAT車販売を倍増させる目標を掲げている。

MT車離れ、もう一つの要因