東芝、残るハードルは債務超過解消 上場維持への資本増強策、不透明 (1/2ページ)

東芝の本社が入るビル=東京都港区
東芝の本社が入るビル=東京都港区【拡大】

 東芝は特設注意市場銘柄の指定が解除されることで、上場維持に一歩前進する。残る課題は、来年3月末までに半導体子会社「東芝メモリ」を売却し、負債が資産を上回る債務超過を解消できるかどうかだ。だが、期日までの売却完了には独占禁止法審査の通過などのハードルがあり、上場維持にはなお不透明感が残る。

 東芝は11日、指定解除の通知を受け「今後も内部管理体制の改善と定着を図るとともに、信頼の回復に全力を尽くす」と表明した。

 東芝は米原発事業の巨額損失で2017年3月末に約5500億円の債務超過に陥っている。このため、米ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に2兆円で売却する契約を9月28日に結んだ。実現すれば、東芝は1兆800億円の売却益を得て株主資本は7400億円増加し、債務超過を解消できる見通しだ。

 しかし、資本増強が計画通りに進む保証はない。売却完了には各国当局の独禁法審査を通過しなければならないからだ。審査期間は半年が目安とされるが、長期の売却交渉を演じ、時間的な余裕はなくなった。

 日米韓連合には韓国半導体大手SKハイニックスが参加している。審査が厳しい中国当局が東芝メモリとSKを一体ととらえ、高まるシェアを問題視すると、審査が長引く懸念もある。

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