神鋼データ改竄 稼ぎ頭のアルミで“火の手” 揺らぐ成長戦略、多角経営は曲がり角

性能データの改竄問題などで、経産省局長に経緯を説明後、取材に応じる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=12日午前、東京都千代田区の経産省(飯田英男撮影)
性能データの改竄問題などで、経産省局長に経緯を説明後、取材に応じる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=12日午前、東京都千代田区の経産省(飯田英男撮影)【拡大】

  • アルミ製品などの性能データ改ざんの経緯を経産省に報告後、頭を下げる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=12日午前、経産省
  • 性能データの改竄問題などで、経産省局長に経緯を説明後、取材に応じる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=12日午前、東京都千代田区の経産省(飯田英男撮影)
  • アルミ製品などの性能データ改ざんの経緯を経産省に報告後、記者の質問に答える神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=12日午前、経産省
  • 性能データの改竄問題などで、経産省局長に経緯を説明後、頭を下げ、取材に応じる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長。=12日午前、東京都千代田区の経産省(飯田英男撮影)
  • 性能データの改竄問題などで、経産省局長に経緯を説明後、取材に応じる神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=12日午前、東京都千代田区の経産省(飯田英男撮影)

 性能データ改竄(かいざん)問題で、神戸製鋼所の成長戦略が大きく揺らいでいる。同社は経営多角化を進め、成長の柱と位置づけるアルミをはじめ、鉄鋼以外の事業も熱心に育成してきた。しかし問題が拡大するなか、事業活動への影響は広範囲に及びかねない。変化に強く、安定しやすい多角経営の強みは失われつつある。

 神戸製鋼は鉄鋼、アルミ・銅、建設機械、電力など、7事業を傘下に抱える。なかでもアルミ・銅事業の経常利益は、直近の平成29年3月期で120億円。電力と並ぶ稼ぎ頭だ。

 環境規制強化やエコカー普及で自動車の軽量化ニーズが高まり、鉄より軽いアルミの需要は増している。神戸製鋼は32年度までの中期経営計画で、自動車を含む輸送機器の軽量化関連で1千億円規模の投資を想定。このうち確定済みの約680億円はすべてアルミ関連だ。そのアルミで受注を失えば打撃は大きい。

 川崎博也会長兼社長は12日、アルミに集中投資する戦略に変化はないとしつつも、「顧客の検証結果や意見にも左右される。影響がないとは言い切れない」と危惧した。

 しかも不正は鉄粉や子会社でも発覚し、コンプライアンス意識がグループ全体で低いことが露呈。問題を起こしていない事業も含め、全社的な信用低下は避けられない。経営陣が多すぎる事業を目配りできていないとの指摘もあり、今後は経営体制を含む戦略の抜本的な見直しを求められそうだ。