【奈良発 輝く】呉竹 画期的な筆記具開発 国内外のユーザー支持 (1/5ページ)

呉竹本社に展示されている商品の数々=奈良市
呉竹本社に展示されている商品の数々=奈良市【拡大】

  • 綿谷昌訓社長
  • カラー筆ぺん「ZIGArt&GraphicTwinRB+F」

 115年前、奈良の地で伝統産業である墨づくりで創業した呉竹。液体墨「墨滴」や「筆ぺん」など画期的な筆記具を開発し、日本の文化、教育に確かな役割を果たしてきた同社は、一方で世界に日本の優れたものづくり力を発信し続けている。近年は「アート&クラフト」を事業領域に定め、さらに多彩な商品展開を進めている。

 日本の文化を支えてきた墨づくりが今も息づく奈良市。その地に構える呉竹の本社ショールームには、同社が製造・販売する固形墨がずらりと並ぶ。さまざまな種類の固形墨は表面に落ち着いた艶があり、伝統工芸品のような品格さえ感じられる。

 その隣には、液体墨や筆ぺんといった同社の技術力の高さを示す商品の数々、さらにサインペンやカラー筆ぺんなど国内外のユーザーに支持されている商品が展示されている。

 ◆液体墨で脱下請け

 「墨屋から始まった創業当時は大手の製墨業者の下請けをしていた。事業が元請けに左右される状況で『何か新しいことをしなければ』という思いがあった。そんな中、教育現場の『墨をする時間を減らして、書道を練習する時間を増やせないか』という声から、1958(昭和33)年に開発したのが液体墨の『墨滴』です」と綿谷昌訓社長(63)は振り返る。

 今では当たり前のように使われている液体墨。原料は固形墨とほぼ同じだが、「超微粒子高分散技術」と呼ばれる画期的な技術が用いられている。これにより、微細な煤(すす)の粒子が沈殿、分離せず、液体中に均一に分散した状態を保つことができるのだ。

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