【21世紀を拓く 知の創造者たち】デンカ 常識変える材料開発を追求 (4/6ページ)

名古裕輝さん
名古裕輝さん【拡大】

  • 成冨拓也さん
  • 宇野弘基さん
  • 加藤真洋さん

 --今の仕事に就く前に取り組んだ仕事が役に立っていることはありますか

 名古 入社したときには、放熱材の担当でした。液状の樹脂にアルミナの粉を混ぜて製造しますが、粉を混ぜたときの粘度の問題は今のアセチレンブラックの課題に共通するもので、そこで経験を積んだことが役に立っています。

 成冨 当社に入社する前は電池メーカーに勤務していました。材料を集めて電池を組み立てていたので、今のテーマに密接につながります。「最終製品の電池の姿を知っている材料技術者」であることは自らの強みと思っています。

 宇野 入社以来、接着剤を担当しています。いま目の前の現象を一つ一つ分解すると、ものが流れる、何かと何かが触れ合うなど、おおもとまでさかのぼると、それぞれの学問があります。学生時代や入社以来ずっと勉強したことは蓄えとなっていきています。

 加藤 私も入社以来現在まで放熱材料の研究開発をしています。放熱材料は、シリコーン樹脂と熱伝導フィラーで構成されますが、樹脂設計の方はゴムとか高分子の高次構造制御をやってきましたので、学んだことを生かすことができています。

 --今仕事をしていてのやりがいは

 名古 新製品の開発ですので、世界にどこにも無い、誰も考えていないことを自分がやっているということです。研究者として、最先端を走っているところに面白さがあります。