美少女や食品…ロボが触れたものの硬さや匂いが操縦者に伝わる最新VR技術 (4/4ページ)

チョコや香水の匂いが漂う「VR サクラ」
チョコや香水の匂いが漂う「VR サクラ」【拡大】

  • 左の男性が腕を曲げると右の男性の腕が電気刺激を受けて自然に曲がる埼玉大学の技術
  • 豆腐、紙粘土、樹脂の硬さを感じ取って掴み分けをするロボット
  • NEDOと慶應大学が開発した双腕型ロボットは、操作者が腕を動かすとロボットの腕が動いてペットボトルとコップを持ち上げ水を注ぐ
  • 高精細の映像と立体音響で臨場感あるパノラマ映像を体験できるNTTドコモのシステム

 美少女がチョコレートスティックをくわえて差し出してくる時はチョコレートの匂い、美少女の胸元に顔を近づけ埋めた時には香水のような甘い匂いが感じられる。シータが展開していた「透明少女」という、こちらは実写の美少女が登場するVRコンテンツでも、目の前に迫ってくる美少女の顔といっしょに甘い香りを体験できる。

 クリーク・アンド・リバー社の「激烈 おとっつぁんのちゃぶ台返し ~避けてちゃぶだい!?~」は、VR空間の奥に現れたオヤジがちゃぶ台をひっくり返すと、食べ物が飛んでくるため、プレーヤーはVRヘッドマウントディスプレーを装着した頭を動かし、視線の先に現れる口のマークを合わせて食べていく。その途中で、飛んでくるサンマや唐揚げなどの匂いが漂ってくる。嗅覚の追加が仮想世界での体験を深くする。

 視覚と聴覚をさらに強化しようとする動きも。NTTドコモがCEATEC JAPAN 2017に出展していた8K60fps高品質パノラマVRを実現するVRヘッドマウントディスプレーは、クリアな8K映像が今まで以上に映像世界に没入させてくれる。ヤマハが開発した音響技術は、演奏が聞こえてくる方向に頭を振ると、演者が見えてそこから音が聞こえてくるといった具合に、現実世界と同様の臨場感を与えてくれる。

こうした、よりリアルに近づけようとする動きと、嗅覚や触覚など新しい感覚を付け加えようとする動きが重なった先、仮想世界はより大きくなり、現実へと近づいていく。