東芝半導体買収、WD幻の勝利宣言 「法で威嚇」過信の果て暗転 (3/5ページ)

ウエスタン・デジタルの工場のロゴ=マレーシア・ペナン州(ブルームバーグ)
ウエスタン・デジタルの工場のロゴ=マレーシア・ペナン州(ブルームバーグ)【拡大】

 メモリーは「iPhone(アイフォーン)」を含むあらゆる携帯電子機器の鍵となっている。さらに記憶容量の大きい最新世代では、サムスンと東芝が他社との差をますます広げ、ひいてはWDが手掛けるHDD市場を侵食していくことになる。

 東芝のいらだちはWD本社で4月に開催されたミーティングから始まった。メモリー部門の責任者だった成毛康雄氏の反対側にはWDのミリガン氏が座っていた。会議出席者によると、ミリガン氏は買収に130億ドルという低価格を示す一方、他社への売却を阻止するため東芝の合弁相手としての権利を行使すると述べた。

 関係者によれば、会議では冷静そうに見えていた成毛氏は帰国する飛行機の中で憤慨していた。成毛氏はミリガン氏が事業を安く買うため東芝との問題を利用しようとしていると確信したという。

 しかし、WD経営幹部の考えをよく知る人々によると、130億ドルという数字はあくまで初期段階の試験的なものだった。ミリガン氏が示したかったのは、競合他社を含む投資家グループに自分たちの共同事業が売却されてしまう可能性があるという懸念だったという。

ライバルの入札者は、WDから訴訟をちらつかせる手紙を受け取った