神鋼データ改竄、米国で集団訴訟の懸念 司法当局が書類提出要求 (1/2ページ)

データ改竄問題で揺れる神戸製鋼所東京本社=東京都品川区
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 神戸製鋼所は17日、アルミ製品などの性能データ改竄(かいざん)問題で、米司法当局から関連書類の提出要求を受けたと発表した。問題の製品は米自動車メーカーや航空機大手でも使用され、消費者の安全に関わる深刻な事態として捜査に乗り出す可能性もある。同時に、米企業からの損害賠償請求や、米国で集団訴訟が起こされる可能性も浮上しており、神戸製鋼の業績に大きな打撃を与える懸念材料となっている。

 神戸製鋼は司法当局の要請に対し、「真摯(しんし)に協力する」としているが、どういった書類を提出するかや提出時期については決まっていない。

 同社は現在、問題の製品納入先とともに、安全検証を最優先で実施している。JR東海や三菱重工業では安全性に問題がないことを確認。ある自動車メーカー幹部は「この問題で各社ともにリコール(回収・無償修理)実施にはならないだろう」と分析する。そうなれば、部品交換などの費用負担などで済み、神戸製鋼の業績面での影響は限定的とされる。

 しかし、海外事業に詳しい経営コンサルタントは「海外企業からの損害賠償請求と、米国での消費者からの集団訴訟が生じて、巨額な負担となる懸念が強い」と指摘する。契約社会である米国では、最終製品の安全性に問題がなくても、契約違反があれば、賠償請求するのが一般的だという。

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