【株式ニューカマー】車載カメラ向けの半導体販売 「画期的な新製品」で日本市場開拓 (1/2ページ)

テックポイント・インクの小里文宏社長
テックポイント・インクの小里文宏社長【拡大】

 □テックポイント・インク 小里文宏社長

 監視カメラや車載カメラ向けの半導体を手掛ける米国企業テックポイント・インクが9月29日、東証マザーズ市場に上場した。生産を外部に委託する「ファブレス」のビジネスモデルで、開発や設計、販売を行う。小里文宏社長は、米ナスダックに上場経験のあるシリアル・アントレプレナー(連続起業家)で、3社目の起業。「M&A(企業の合併・買収)も活用して、画期的な新製品をつくり出したい」と意気込む。

 --なぜ日本で上場したのか

 「日本市場を開拓するためだ。自動車大国で車載用エレクトロニクスメーカーも多く、有望視している。地域別売上高では中国が88%、韓国、台湾を合わせると98%になる。日本は2%に満たないが、上場を機に知名度を上げて、優秀な人材を確保したい」

 --自社製品の強みは

 「低コストで高画質な映像を伝送できる監視カメラ用半導体の新方式を独自開発している。監視カメラ用の主流で普及率9割以上の『アナログ伝送方式』は、低価格で映像の遅延がないが、画質が低いことが弱み。5、6年前から使われ始めた『IP伝送方式』は、画質は改善されたがコスト高になり映像の遅延や、不正アクセスの心配があるなど普及への課題は多い。開発中の新方式は画質が良く遅延もない。コストも安く、今後の普及に期待している」

日本は普及の伸びる余地が大きい