日産ブランド毀損、販売打撃も 2週間の生産停止で営業利益100億円減も (1/2ページ)

日産自動車追浜工場=20日、神奈川県横須賀市
日産自動車追浜工場=20日、神奈川県横須賀市【拡大】

 無資格検査問題で国内向けの全車両の出荷を停止した日産自動車。「是正した」と表明した9月以降も問題が続いていたからで、同じことを絶対に繰り返せない状況だ。再発防止策の履行は、出荷再開の前提になるとみられ、業績への影響を最小限に抑えるためにも、重要な局面を迎えている。約300人という完成検査員の増員も焦点となる。

 日産は出荷停止に伴い、国内販売向け車両の生産もストップさせている。2週間程度で再開したい考えだが、不正が繰り返されていた前回の事例があるため、西川広人社長は19日の会見で、「非常に慎重にいきたい」と強調。セキュリティーゲートで完成検査のラインへの立ち入りを制限したり、外部機関に監査したりしてもらう方針。指紋認証の活用も検討する。

 大手証券の試算では、2週間の生産停止により、販売で2万台、営業利益で100億円の減少要因になるという。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は20日のリポートで、「格付けへの影響は限定的」としながらも、「出荷再開の遅れや、ブランド毀損(きそん)による大幅な販売台数減」などに懸念を示した。

 日産の工場で従事する完成検査員の人数は約300人。資格者数については、SUBARU(スバル)が約250人、マツダが約600人としているが、両社とも従事者数は明らかにしていないため、日産の完成検査員の数の水準は、他社の比較からは判定しにくい。日産の資格者は500~600人程度という。

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