さらに、ブランドを利用して、異質な分野へとビジネスを広げていくことも可能です。これを「ブランド拡張」と言います。例えば「コーチ(COACH)」はレザーバッグからスタートし、時計やジュエリー、靴など、さまざまなカテゴリーに製品を展開しています。
逆にブランドが機能せず、中身と価格でしか勝負できない状態のことを、マーケティングの世界では「コモディティ化」と呼びます。いわゆるコスパ(コスト・パフォーマンス)競争です。21世紀に入ってから、デジタル化の進展により、製品間の比較が容易になり、消費者のコスパ志向が強まりました。そのため、一時期、多くの企業がコスパ型のマーケティングを採用し、安売り競争に陥りました。その典型がパソコンや液晶テレビです。「ブランドで売る」という視点を失うと、痛手を被ることがよくあります。
ブランドには、コモディティ化を回避する機能があります。企業にとってブランドには、売り上げ・利益・シェアといったマーケティング成果を安定させたり、高めたりする効果があるのです。ブランドは、売れ続けるためのドライバー(駆動力)と言えるでしょう。
なぜコカ・コーラは売れ続けているのか
いつまでも人気が衰えない有名人の話に戻ると、彼らに共通する特徴は、パフォーマンスは時代に合わせて機敏に変化させているが、スタイルは一貫しているということです。