「月末締めの請求払い」サービスも アマゾンの“法人通販”は業界を破壊するか (4/4ページ)

 規模や商品点数では勝負にならないが……

 ミスミは、1000円の販売で100円を超す営業利益を実現している。中国や韓国、ベトナムなどに生産設備を構えているように、自社生産もあるため原価率が低くなっているからだ。

 ミスミの原価率は60%を切る。

 物流施設の拡大に向けて、アスクルは埼玉県入間市と大阪府吹田市に合計で190億円、モノタロウも茨城県笠間市に90億円を新たに投資する。ただし、設備投資などへの実際の出金を示す投資CFの比較でいえば、1兆円を突破しているアマゾンとは比べようもない。

 規模の拡大や配送のスピード化、商品点数といった正面からの戦いではアマゾン有利は動かない。それだけに、競合他社にとっては別の土俵での勝負や付加価値の提供がポイントになる。

 たとえば、アスクルでいえば、これまで培ってきた販売代理店(エージェント)制度のさらなる活用である。顧客の開拓や集金業務などを担うエージェントは、約1400社を数えるという。

 仕入先企業との間でリアルタイムにマーケティング情報を共有し、売れ筋商品の迅速な開発や欠品回避も重要なテーマになるだろう。

 (ビジネスリサーチ・ジャパン代表 鎌田 正文)(PRESIDENT Online)