【eco最前線を聞く】熱帯雨林に年1万本の植樹目指す (1/3ページ)

日本からも成績優秀な社員を派遣。環境保全への理解を促す=マレーシア
日本からも成績優秀な社員を派遣。環境保全への理解を促す=マレーシア【拡大】

 ■JACリクルートメント・田崎ひろみ会長

 高い語学力や海外勤務経験など「グローバル」をキーワードにした転職支援を行うジェイエイシー(JAC)リクルートメントは、企業の社会的責任(CSR)の一環として、熱帯雨林の再生活動に取り組んでいる。同社は日本を含めて世界9カ国でサービスを提供しており、顧客企業が人材1人を採用するごとに、収益の中から1本分の寄付を行っている。田崎ひろみ会長は「業績が向上すれば、それだけ緑が増えていくのがプログラムの特徴。当面は年間1万本の植樹を目指す」と話す。

 ◆主にマレーシアで活動

 --プロジェクトをスタートしたきっかけは

 「当社のビジネスモデルの発祥の地は英国のロンドンで、私は現在も年間の約半分を海外で過ごしている。現地は奉仕に対する意識が極めて高く、お金を募って寄付する文化が成熟している。そんな環境に触発され、単なる寄付ではなく直接環境保全に携わりたいという思いで、2008年に開始した」

 --具体的にはどういった形で活動を進めているのか

 「マレーシア・ボルネオ島サラワク州に位置し、以前は世界でも最も森林伐採の進んだ地域として知られていたアペン保護林で、日本マレーシア協会(JMA)の『オランウータンの森基金』を通じて行われている」

 --基金の特徴は

 「熱帯雨林の再生・保全だけではなく、その森に生息するオランウータンをはじめとしたさまざまな生命を救うことを目的としている。また、地元の人々と協力して活動を進めることで熱帯雨林保護のための新しい技術や手法を学んでもらい、永続的な再生を目指している」