四国電力は24日、伊方原発が立地する愛媛県伊方町に、原発事故時の屋内退避用で放射性物質の防護機能を備えた仮設型の設備「クリーンエアドーム」を来年3月から順次配備すると発表した。
伊方原発は「日本一細長い」といわれる佐田岬半島の付け根に立地。ドームは、事故時に約5千人が孤立すると懸念される半島西側の体育館3カ所に、計8基を配備する。総設置費は計約2億円。
四国電によると、ドームはポリエステル素材で通常は折り畳んで収納、保管する。空気で膨らませると、幅約10メートル、高さ約4メートル、奥行き約15~25メートルになり、1基当たり約30~90人を収容できる。屋外の空気浄化設備から配管を通して安全な空気を取り込む。簡易式のトイレが備え付けられたタイプもあり、約1週間の滞在が可能としている。
四国電の玉川宏一原子力本部長は松山市で24日開いた記者会見で「町や県と相談しながら、避難計画の充実のために何か提供できないかと考えた」と話した。